月刊BLUEBNOSE 2024年03月号(#3)『Webサイトはバックオフィスのバロメーター』

Webサイトにはその組織のバックオフィス、事業の健康状態が現れる。
なぜそう考えるのか、そしてなぜWebサイトの活用から力を入れるべきだと考えるのか。筆者の独断と偏見、経験による見解の解説から、何を考えて月額制Webサイト制作を提供しているのかまで、本記事で改めてご説明いたします。
BLUE B NOSE 2024.03.15
誰でも

2024年にもなって、Webサイト、HPに力を注いでも仕方ない。Webでできるコトなんてたかが知れている。提供する側の立場として大変情けないですが、「はい、そうです」としか言えません。

予算を始め、時間や人員といったリソースをどれだけ潤沢に割いても、施策が上手くいかないケース、事例を山のように見てきました。提供する側だからこそ、Webにできることや、その限界というのが思ったより手前に来るというのも、感覚的に分かっています。

WebサイトやWebマーケティングが「銀の弾丸」だった時代はとっくに過ぎた今、出来るコトなんて多くないと理解した上で、月額制のWeb制作、それもお手頃価格のサービスに手を出してみませんかと提案するのか。

今回はそこに焦点を絞ってお伝えしてみましょう。

Webサイト、Webマーケティングに注力しても無意味。HPなんてイラナイ

Webサイトなんて、別になんだっていい。よく分からない費用がかかるだけのHPなんて、なくても別に困らない。

HPが銀の弾丸だと思われていた方、あるいは、HPを作れば投資しただけの効果があると口説かれたのに、全く上手く行かず、投じた分だけ損をされたご経験のある方に、そう言われてしまうのは仕方がないと思っています。

例えそれが良心的な事業者による、非常に質の良いサービスであったとしても、HPやWebマーケティングが上手く機能するか、狙った施策が功を奏するのかは時の運次第。事前にどれだけ調査やシミュレーションを繰り返したところで、実行して蓋を開けてみないと分からない、水物の世界です。

成功する確率を高めることはできても、成功を確約できる分野ではないのが実態です。

それも十分理解しているのに、物価高で人手不足も相まって、余裕の無さが高まっているこのご時世に、なぜWeb制作という分野で支出、投資を迫るのか。効果が不透明な分野にリソースを割くぐらいなら、営業や広告に注力した方がマシーー。

その気持ちもよく分かりますが、なぜWebサイト、Webマーケティングにも力を注ぐべきなのか、順を追ってお伝えします。

HP、Webサイトはバックオフィスの中でも後回し、軽視されがちなコストセンター

HPやWebサイトの有無が本業の収支に大きな影響を持つビジネスモデルでもなければ、経営リソースを分配する際の優先順位としては、まずは営業や広告といった攻める部分、収益を上げる部分が先に来て、そこからWeb部門以外の伝統的なバックオフィス部門、財務や経理、人事や事務、総務からリソースを割り当て、ちょっとでも残ったらWeb部門、運用担当へ回すといった優先順位になるでしょう。

Web担当が選任で確保されているのもレアケース、もしかしたら事務や総務の兼任で賄われている組織も、そう珍しくないでしょう。

やはり事業を継続させる以上は利益を確保し続けなければならず、事業体として存続するために必要不可欠なコスト以外は極力カットする。そうなると「(経営上)必要な存在」としては余りにも中途半端なHP、Webサイトにはどうしても予算をはじめとするリソース、特にコストとして重大な人材なんて簡単に割り当てられないというのも、当然の考え方です。

つまり、逆に考えればHP、Webサイトが後回しになっていない事業体、組織というのは企業として余裕がある組織、Web以外のバックオフィスにも十分なリソースを配分できている、と見てもらえる可能性が出てきます。Webだけでなく、バックオフィスもしっかりしているのなら安心して取引ができる相手、そう簡単に経営が危ぶまれる相手ではない、それなりに信用しても良い相手かも、と判断する材料になるかもしれません。

ビジネスの取引先として、あるいは一般の消費者として、企業名や代表者名、サービス名で検索をかけ、SNSの公式アカウントだけでなく、HPや関係するWebサイトが見つかるかどうか、見つかったWebサイトが定期的に更新されているかどうかは判断材料、特に安心材料としては大きいというのも、一般的に培われつつある感覚じゃないでしょうか。

商品やサービスの提供者として「調べれば辿り着ける」公式の情報を、本人達が提示しているかどうか。SNSのようなフロー型の情報発信ではなく、いつでも確認できるストック型の情報として用意されているかどうか。わざわざ検索する機会は減っていたとしても、判断材料として大きな位置を占めているとは思いませんか?

バックオフィス強化は備えの強化。安心して攻めるための布石、基盤構築

事業体として十分な収益を獲得し続けること、営業や広告に力を入れて攻め続けるのも大切ですが、継続して事業を営むためには、バックオフィスに力を割くことも大切です。特に中小企業、零細企業や個人など、弱者であればあるほど、強者や他の弱者から不意に攻められても良いように備えておくこと、攻められないように虎視眈々と準備しておくことが肝心です。

「攻撃が最大の防御」と局所的に一点突破で勝利を収めても、得たものを中長期的に残せなければ、いつの間にか強者に回収されてしまいますし、攻める際の守りが甘ければ、別の角度から思わぬ攻撃を、思わぬタイミングで、思わぬ場所、特に急所に仕掛けられてしまう恐れもあります。

また、攻める瞬間に攻められると意外と手痛い、という事実もあります。格闘技の世界ではカウンターや返し技があるように、戦闘機同士の空戦、ドッグファイトの世界ではヘッドオンと呼ばれる正対した状態、向かい合った瞬間の攻撃は避けにくく、お互いに近付く速度も相まって衝撃も大きくなりやすかったりします。

攻める瞬間に構えが崩れれば隙が生まれる。その隙を巡る攻防、攻守一体の技も山のようにある。攻撃一辺倒ではむしろ弱くなる、ジリ貧に陥る可能性もそれなりに高くなってしまいます。じゃあどうするのか、将棋や囲碁といったボードゲームからもヒントを得るなら、きちんと布石を打って陣形を整える、手筋を覚えて攻めに応じつつ、守りも固めるやり方が良いのでは、という簡単な答えが出てきます。

弱点や急所に配慮して強化することや守ること、攻められにくいように備えるのはそれほど難しいことではないし、相手や第三者に影響されることもなく自己完結で「できること」から手を付けやすく、再現性もある程度高い上に、しっかりリソースを用意できればいくらでも手厚くできます。不意に攻められることもなく、攻めた後も資産を守りやすく残しやすい、増やしやすい状態なら、攻める方も安心して攻めることに集中できます。

Web担当部門をはじめとするバックオフィスに注力する、最適化に向けてリソースを割り当てるのは、前衛である営業や広告が力を発揮しやすくするためにも有効でしょう。攻めるためにもバックオフィス、特に後回しになりがちなWebサイトへ注力することも、攻めやすい体制作り、組織の強化に繋がります。

Web担当や広報部門は組織にとっての親指、キャッチャーでもある

バックオフィスの一部であると同時に、実は半分組織の外に出ていて市場や社会、ユーザーの側にも立っているのがWeb担当部門や広報部門です。営業や広告、あるいは他のバックオフィスとは異なり、違う角度から事業や組織を見つつ、外側へよりよく伝えていくために活動するという意味合いでは、他の指と違う動きをする親指や、他の野手と正対する向きで座っている捕手、キャッチャーみたいなポジションと言えるでしょう。

親指は握る方向が異なるから、その存在によってものを掴みやすくなっていますし、捕手は守りの要、ゲームを作っていく上で重要なフィールド上の司令塔でもあります。Web担当や広報部門も、事業や組織を客観的に観察し、利益へ結びつけるため、戦略的にゲームを作っていく上で重要なポジションです。

また、営業や広告と同様に外部に触れる場所であり、事業や組織の「見え方」や「イメージ」を形成する一大要因であり、分析ツールを用意しておけば、市場や社会、ユーザーの反応を部分的にでも把握することが可能なリサーチの場所、センサーの役割を担う場所でもあります。身体の外に突き出たイメージも重ねるなら、目や耳、鼻といった五感、実力部隊に置き換えるなら斥候や情報工作員にも該当しそうですね。

攻める際、守る際に先入観を排して、自分たちに都合が悪い情報であってもあるがままに受け取れるか、下から上がってきた正確な情報を元に次の手を検討できるか、実行に移せるのか。組織の命運をかけた大勝負でこそ重要なポイントなのですが、何故か見落としがちというか、思い込みを排せず、最新情報に刷新できないまま討ち死にしていくケース、囮に騙されて盛大な空振りに終わる事例もいくつか見ています。

組織の外から上層部まで、また上層部から現場、あるいはその逆の動きまで。情報がトップの主観に塗れた思い込みを下へ流すだけで、末端から腐っていく組織も沢山見て来ましたが、Web担当部門、広報部門がしっかり客観視して組織内部の情報の流通を守ること、双方向の情報の流れを作っていくことが変化の激しい時代、VUCAの時代にはますます重要となって来ています。

ゴーイング・コンサーンに則り、組織や事業の存続、その先にある顧客とのロングエンゲージメントといった不文律の約束を果たすには、攻める部門の強化やバックオフィスの最適化に留まらず、Web担当部門、Webサイトへの注力も欠かせません。

DXを経てプロフィットセンター化させられた次世代企業と見せられるかも......

Web担当部門や広報部門に留まらず、バックオフィスの強化、最適化を図る過程でDXを経られれば、それまでコストセンターと思われていた部門も、データやデジタルツールの利活用により、営業や広告にも劣らないプロフィットセンター、利益部門と化す可能性があります。

HPやWebサイト、Webを通じた情報発信、オンラインプレゼンスが今の時代に合わせて最適化されている場合、次代を見据えて変化している企業、積極的に変化し始めている組織と見てもらえるかも知れません。

Webサイトがバックオフィスのバロメーターであるなら、Webサイトに注力されている組織の場合、バックオフィスにも注力されていて、2024年の今どきであればDXや現代風の生産性向上の取り組みにも力を入れていると見せることだってできるかも知れません。

表面だけ取り繕っていても、オウンドメディアの記事や発信頻度等をチェックすれば、行間に本当かどうかが現れるので、目ざとい方には見破られてしまうので、きちんと実態、実情も伴わせましょうね。

これからの時代を生きていこうとしている組織、次代を見据えている企業だと示すためにも、Webサイトに注力しませんかというのが我々の考え方です。

伝わり方を変えれば、見通しが明るくなるかも知れない

小難しい話を長々と述べて来ましたが、端的に言えば「伝わっていないが伝われば、(良い方向へ)変わっていくかも」というお話です。伝わりさえすれば、どうなるか分からない先々の見通しや、明るくなるとは思えない毎日が、少しでも良い方向に、明るい希望を抱ける状態に変わっていくかも知れない、と。

「そんなことは分かっているから、できる範囲でSNSの更新や無料ツールで情報発信を頑張っている」と言われてしまいそうですが、SNSや無料ブログ、あるいは無料ツールでの情報発信は、運営者の都合により発信する内容を制限されたり、予告なくアカウントを削除されてしまう可能性が潜んでいます。また、情報発信、あるいは情報伝達に明るくない方、専門的な知識やスキルを持たない方が、「どうやれば伝わりやすいか」を意識しないまま発信しても、事業全体を通じて効果のある施策、戦略的な意義のある取り組みになるとは限りません。(専門家が関与しても上手くいかない可能性だって、当然あります)

組織の外部から関わる専門家として、市場や社会、ユーザーの代弁者として客観的に、「どうやれば伝わりやすいのか」を検討し、己の知識や経験、スキルを用いて戦略的に意義のある伝わり方、伝え方を踏まえ、より効率の良い情報発信、オンラインプレゼンスの向上に寄与する。そうすることで、「伝わった後」にある売上や利益、あるいは好印象の伝播にも貢献できるかも知れない。

伝わっていない、見つかっていない、届いていない。ここを最適化、改善することで他の場所にも好影響を波及させていく。その起点、きっかけとしてWebサイトの活用、Webマーケティングに力を入れるところから取り組んでみませんか、というご提案でもあります。

Webサイトの見直しから始まる組織の最適化、競争力や生存力の強化という目論見

税理士や司法書士、社労士さんや中小企業診断士と言った専門家の皆さんでも、いきなり自分たちの専門分野の最適化を持ちかけた営業トークはカジュアルにできないでしょう。提案される側も、前から知り合いとしてお付き合いのある方ならまだしも、そうでない方からそんな提案を受けて良い気分にはならないでしょう。

Webサイトの新設や見直しについても状況は対して変わりませんが、採用はHRも含めた部分や、事務のアウトソース、オフショア程度ではないもっと奥深い部分のバックオフィスにいきなり手を伸ばされるよりは、まだ受け入れられやすい提案じゃないでしょうか。制作費や初期費用を検討しなくても良い月額制のお手頃価格なら、更に受け入れやすくなるのではと考えています。

バックオフィスに力を注ぐにしても、まずは一番手頃な分野から、従来は一番後回しにされやすかったWebサイトから手をつけてみて、段々別の分野、組織の奥深い分野の最適化、強化も図っていくというのが、今ならご提案しやすいのではとも考えているので、お手頃価格の月額制Web制作サービスから、バックオフィスへの投資、最適化に繋げるのも良い戦略なのではとご提案している次第です。

バックオフィスの状況が顕著に現れやすいWebサイトだからこそ、足ツボマッサージや足湯のように、そこから手をつけて、身体全体を活性化、健康な身体へ近付けていく。

そして、取り組みを通じて伝わりやすくなったら、和田邦坊が描いた風刺漫画のように「(見通しや経営状況が)どうだ明くなつたろう」と悪びれてみる。それが、我々が考える社会貢献です。

DXや最適化のきっかけ、あるいはお供に、月額制Webサイト制作はいかがです?

伝統的な組織体系では後回しになりがちなのに、世間からは見られやすいHPやWebサイト。情報発信や伝達に問題があると分かっている方、あるいは組織改善は必要だけど何から取り組めばいいかお悩みの方、提案したいけど良いフックを見つけられていない専門家の皆様、お手頃価格で始められる月額制Webサイト制作をきっかけに、あるいはお供に、DXやバックオフィスの最適化、組織の体質改善を図ってみませんか?

マスメディアの衰退や広告、SNSのトレンド等も含めた情報発信の環境変化によって、伝わりにくくなりつつある昨今、次代を見据えたやり方、新しいやり方による生き残り方を踏まえた月額制Webサイト制作サービスで、一緒に世の中を明るくしてみませんか?

おしまいに

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