月刊BLUEBNOSE 2025年01月号(#13)『いざという時の切り札、道標でありたい』

壮大なタイトルをつけて、2025年の一発目としてやりたいことをお伝えするつもりが、かなり話があちらこちらへ飛んでしまい、だいぶ変な中身になってしまいましたね。
まぁ、今更普通を装っても無理があると思うので、変なところをお楽しみいただけましたら幸いです。
BLUE B NOSE 2025.01.17
誰でも

次の週末が明けると、ドナルド・トランプ氏が米大統領に再任し、バイデン政権を間に挟んだ後の2期目が始まりますね。それを目前に控えたからか、米メタや米マクドナルドが、DEI(多様性、公正性、包摂性)に関する方針を転換すると発表しましたね。その一方で、反DEIに反発した米アップルの株価は一時的に急落しているようですが、これには任天堂のどうこうやApple Inteligenceに関するニュースも絡んでいるようなので、反DEIに関する動きがどの程度影響を与えたのかは不明です。

ただ、先日起きたカリフォルニアの山火事を巡る市長や知事への批判、欧州を席巻しつつある反移民・反リベラルな選挙結果、脱炭素連合から銀行の離脱が相次ぐ事象、米下院が「女性に性転換したトランスジェンダーの女子競技出場禁止法」を可決したことなど、過度なリベラル政策や価値観に対する反動が、世界的に広がりを見せていることは明らかです。

また、ポリティカル・コレクトネスを優先するあまり、業績悪化や評判失墜を招いているディズニーやマーベル、さらには倒産危機に見舞われるUBIソフトといった事例も、こうした変化の一つと言えるでしょう。一時は支持を集めていた「Woke」や、極端にリベラル的な価値観が、トランプ氏の再任をきっかけにしたかのように、急激な右旋回を見せたり、保守的な思想が台頭しつつあるのではないでしょうか。

このトレンドがトランプ政権だけの一時的な現象なのか、それとも長期的なトレンドとなるのかは、まだ誰にも分かりません。ただし、リベラル派が掲げてきた理想や価値観が、その欺瞞とともに白日の下に晒され、カッコよくて煌びやかに思えた姿は幻想に過ぎず、メッキが剥がれつつある現状については、元には戻らないでしょう。

さらに、日本国内へ目を向ければ、第四の権力と化していたマスメディアの衰退や信用失墜、凋落がより顕著になっています。今回の米大統領選挙でも日本国内の報道では「ハリスとトランプが拮抗している」といった論調が多く見られ、完全な読み違いを露呈する結果となりました。

また、兵庫県知事選挙でも、マスコミ報道は力を発揮しきれず、SNSや民意に押し切られる形で敗北することとなりました。この出直し選挙をするきっかけとなった百条委員会の正当性が問われる中、国政や新聞テレビではSNSへの規制を打ち出し始めるなど、奇妙な動きを見せています。

その一方で、公共放送として受信料を徴収しているNHKですら、事実とは異なる内容を報道したり、番組内容の捏造、制作スタッフの不祥事が相次ぐなど、その正当性が問われています。日本国外では反リベラル、極右と呼ばれる保守派への急激な転換が相次いでいるにも関わらず、国内では与党やマスメディアが依然としてリベラルと親和性が高いスタンスを維持し、言論や世論の形成に大きな影響を与えています。

「正しい」とされてきたことが大きく揺らぐ中、政治やマスメディアに対する不信は募るばかりで、人によっては何を信じれば良いのかすら、判断が難しい状況です。第二次世界大戦が終結してからまもなく80年ですが、終戦後に築かれた国際情勢や世界秩序は風前の灯であり、日本国内も予断を許さない今日、Web制作に携わる者としてどう向き合い、何をしていきたいのか。

今回は、BLUE B NOSE(以下:BBN)としてやりたいことや考えていることについて、改めてお伝えしたいと思います。前振りが長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

Webも、外部の影響を避けられない

これはあまりにも当然のことなので、改めて言及するのも野暮なレベルですが、Webサイト制作やWebマーケティングの世界でも、アナログやインターネット外からの影響を避けることはできません。Webサイトを閲覧する相手は、デジタルの世界だけに生きているのではなく、アナログな環境と行き来しながら生活しているからです。ネットワークや通信機器だけでなく、一般社会や周囲の価値観に大きく影響される存在でもあります。

例えば、どんなマーケティングを好意的に受け取り、どんな情報発信を「イケてる」と判断するか。それは、相手が所属する社会や価値観に必ず左右され、日本国内のトレンドだけでなく、世界を席巻する大きな流れや動向も無視できません。

GoogleやYahoo!といった検索エンジンや、SNSなどのプラットフォーマー、AppleやMicrosoftといったPCやモバイルなどのハードウェア、あるいはその他のWebを支えるインフラや技術に関する企業や団体の動向からは直接的な影響を受けます。また、それらが支持され、シェアを拡大して業績を安定させるために好まれる論調や方向性、経済状況がどう変化するのかというものも、間接的な影響を及ぼします。

つまり、マスメディアの立ち振る舞いや言論、トレンドの変化からも、多大な影響を受けてしまうという、極めて当たり前のお話です。何が「正しい」とされ、何が「好まれる」とされるのかが右に振れたり、左に振れたりするたびに、Webの世界も変化や対応を迫られます。

上層部が方針転換を打ち出せばそれでおしまい、対応を迫られても微々たる影響で済んでしまう強者なら、面舵(右旋回、保守路線)でも取り舵(左旋回、リベラル路線)でも好きにすれば良いですが、吹けば飛ぶような弱者にとっては対応の遅れや変化への適応は、致命傷となりかねません。

これまではDEIやWokeを含めたリベラルなアプローチが好まれる傾向にあったため、それを前提にじっくり時間をかけてWebサイトを作ったり、Webマーケティングを仕掛けたり、商品の仕入れやサービスの拡充に注力して上手く行っていたのに、急に「それは間違いでした」と言われても、対応し切れるものではないでしょう。

時間をかけて準備したものは、一日や二日で変更できるものではありませんし、大量の商品在庫を抱えている場合、その処理に頭を悩ませることになるでしょう。自分たちがビジネスオーナーとして取り組んでいるのならまだしも、Webサイト制作者やマーケターとしてクライアントに関わっていた場合、お客様を誤った方向へ誘導したという負い目が生まれたり、専門家としてその責任を問われる可能性があります。

声の大きさや発信者の背後にある権威に影響され、偽りの正しさや多数派の意見に流されてしまうと、自分だけでなく、信頼して頼ってくれた人たちも間違った方向へ導いてしまったり、それによって社会的あるいは経済的な危機に晒してしまったりする可能性も否定できません。だからこそ、少なくともそれらを理解した上で、責任を取れるようにしたいですね。

今に流されない「無用の長物」、骨董品

目先のトレンドや多数派が支持する「流行り」を機敏に先回りしたり、積極的にキャッチアップするのも良いでしょう。誰かの仕掛けを素直に受け入れて、華麗に踊ったり、誰かを喜ばせるためにエスコートするのも、気楽で楽しいと思います。

ただ、社会学者エベレット・M・ロジャースが提唱したイノベーター理論でラガードと分類される保守的な人たちもいますし、市場成長率と市場シェア率の観点から、事業を4つに分類する「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)」で、市場成長率、市場シェア共に低い「負け犬」に分類されながらも、保守的な人たちに支持されて、一定のシェアを獲得している商品も存在しています。

全員が同じ方向を向いていると困るという理由から、遺伝的多様性を増大する有性生殖が誕生したように、トレンドに置いていかれ、捨てるに捨てられない粗大ゴミだったのに、無用の長物と化していた骨董品だからこそ世界の窮地を救った『パシフィック・リム』の「ジプシー・デンジャー」や、『バトルシップ』の「戦艦ミズーリ」の出番といった熱い展開の作品もあったりします。

どちらの作品も、小難しい教訓を伝えるために存在するのではなく、巨大ロボットが大暴れする姿がカッコ良いとか、かつての名戦艦が活躍する様がイカしているとか、チキンブリトーが最高だと再確認するためのものですよね。

BBNとしては、いざという時のために倉庫の奥で埃をかぶって出番を待っている「ジプシー・デンジャー」や、再び使われることを想定していない「戦艦ミズーリ」のような姿を、目指すべき在り方と考えています。

すぐに使えて出番が多いレギュラーや、流行を抑えた使いやすいイマドキの花形ではなく、使われないことを前提とした冗長性、控えや備蓄として万が一のために存在が秘匿される奥の手、もしくは使い所が全く分からない無用の長物くらいが、ちょうど良いのではないかとも考えています。

異常事態や人類の危機を救うための異物や、最後の切り札。周りがおかしくなった時に頼りになる存在や、反撃を試みる際の武器や力になることを目指しています。どんな状況下でも力を発揮できるように、目先の変化や流行といった表面的な「諸行無常」ではなく、簡単に変わることのない普遍的な「法」を重視し、時を超えて役に立つ存在を目指し、備え続けています。

ほぼ一年前、オウンドメディアの最初の記事として『時代を超えて愛されるWebサイトを目指して』を公開しました。

時代の荒波に耐え、過去と未来を繋ぐ「方舟」となり、歴史を紡ぐ「経糸」として機能すること。そして、時の流れや圧力に負けることなく、姿を変えながらも未来へと生き延びる方法を提供したいという思いは、今年も変わらない方針です。

進化の秘法もしくは、生き延びる術を配りたい

近年、世界はこれまで「正しい」とされてきた価値観や方針を見直し、劇的な転換期を迎えています。日本国外では長く続いたリベラルな方針から「トランプシフト」へと移行し始め、日本国内でも、過去三十数年続いてきた擬似的な左派やエリート層、団塊の世代に対する反発が高まっていくと考えています。

もし、従来のやり方や権威が掲げる「これまでの正しさ」を盲信していると、『鋼の錬金術師』に登場する国土錬成陣に巻き込まれ、「巨大な賢者の石の材料として犠牲になる」かもしれません。あるいは、『ハーメルンの笛吹き男』で退治されてしまったネズミや、連れ去られてしまう子供のように、気付かぬうちに破滅へ誘導されてしまうかもしれません。

BBNは、独自のWebサイト制作やWebマーケティングを通じて、大規模な自滅や文明の崩壊を回避する道を模索しています。また、簡単に左右へ揺らぎ、権威や金銭に屈してしまう言論や情報発信の分野に対して、公平中立な水平垂直の軸や基準を提供できないか、とも考えています。

大きな力に従い、長いものに巻かれて多数派に抵抗せず、権威や金銭に屈してしまう方が簡単で、懸命な生き方かもしれません。しかし、おかしなことや間違いを正さずに放置すれば、理や原理原則に基づいた公平かつ民主主義な法治社会は実現しません。「最大多数の最大幸福」を目指すためには、諍いの火種を取り除くことが欠かせないでしょう。

他者や社会を歪め、不当に支配しようとする者を退け、誰もが自由に平和を謳歌するためには、「石に漱ぎ流れに枕す」偏屈や、簡単に流されない頑固者、常識に挑戦する傾奇者や反骨心旺盛なヤンキーも必要なのです。

そして、ただ今を生き延びるのではなく、これまでとは違う世界でも問題なく生き抜くためには、新たな時代に適応した情報発信の進化が必要です。昆虫の「完全変態」のような「死と再生」が不可欠だとも考えています。蛹や繭の中で何かを加えたり、捨てたりするのではなく、素材となる個性はそのままに形を変え、新たな姿を得て成虫へ羽化するような、考え方や伝え方、見せ方の劇的な変化をお届けしたい。

BBN特製の「進化の秘法」を施して、時代の荒波を乗り越える「方舟」の乗組員として、新たな時代を共に歩んでいく仲間を増やしていきたいと考えています。また、「国土錬成陣」に対抗する「逆転の国土錬成陣」を共に実行していただける人も増やしていきたい。それが、独自のWebサイト制作やWebマーケティングを通じて、BBNが成し遂げたいことです。

お金より、世直し?

すでに十分伝わっているかと思いますが、Webサイト制作やWebマーケティングを通じたお金儲けや事業活動自体は、そこまで重要視していません。

「武士は食わねど高楊枝」とまでは言いませんし、できることなら収益も上がる方がありがたいですが、自分たちまで目先の利益を追いかけてしまい、市場や社会がおかしくなっていく、崩壊していく様を見過ごすことはできません。

むしろ、「アンタたち、頭おかしいんじゃない?」と笑われる方がマシでしょう。

世のため、人のため、そして情けは人の為ならず。ただ、自分のことを全く勘定に入れず、「自分のため」を棚に上げて動く人を信用しない方ですが、だからこそ、あえて「狂ったフリ」をしてみようかな、といったところでしょうかね。

「世も末」で「末法思想」を感じる世の中なら、「ええじゃないか」と自ら積極的に狂ってみる。誰かに踊らされるより、自分から先駆けて踊る方が勝ちじゃないかとすら思う、今日この頃です。

おしまいに

話がかなり脱線し、斜め上の展開をしてしまいましたね。

ただ、BBNはただWebサイトを作ることが目的ではありませんし、事業活動としての収益を第一に考えているわけでもありません。未来を志す人々のために真っ当な存在であり続けること、そして、Webサイト制作を通じて人類に少しでも貢献したいことは伝えられたかと思います。

もし、世の中の歪みをなんとかしたいという方、今までのやり方とは大きく異なる方法を検討したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひBBNにご相談ください。

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月刊BLUEBNOSEは、毎月1回、第三週の週末に配信予定です。当配信の感想やご質問などございましたら、#BLUEBNOSEか@bluebnoseをつけて、SNSにご投稿いただけますと幸いです。

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それでは、次回の配信をお楽しみに。

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