月刊BLUEBNOSE 2026年09月号(#33)『ペルソナは、固定して使い倒せ』
安易に増やさずに、資産として活用すべし。
昨今のHelpfulなアルゴリズムだったり、AI関連も込みのSEOを踏まえると、ペルソナはあった方が良いでしょう。
でも、「ペルソナの作り方が分からない」という声も割と多い印象です。
そこで、度々オススメして来たのが、「既存の顧客」をモデルに作ること。
そして、「買う」を中心に「買う前」と「買った後」とでそれぞれ挙動が発散し始める傾向があるので、まずは「今すぐ客」や、「購入直後」の相手を想定して、施策を考えていきましょう、という伝え方をしています。
仮に既存顧客がいなかったとしても、アナタの商品やサービスを買おうと思っているけど、何かが足りずに踏み止まっている人って、どんな人なのか、何が引っ掛かっているのかは何となく絞れるのでは?
自分たちのWebサイトへ辿り着くのに、どんなことに困っていて、何を欲しているのか。
それを欲する人って、具体的にどんな人なのか。それがぼんやりとでも見えて来れば、対策したいキーワードや、訴求したい方向性も見えて来ます。
そういう話をしていると、"今すぐ客以外のペルソナは?”という質問が来たりします。
その反応を見ていると、「ああ、ペルソナが分かってないんだな」と思ってしまいます。
顧客のステージごとに、自分たちにとって都合のいいペルソナ、理想のペルソナがあると思っているのでそんな考え方になるのだと思いますが、その考え方がそもそも正しくないと私は考えています。
ペルソナは都合のいい人形じゃないので、ステージごとに別の人形を用意しても役には立ちません。
本来、どう考えるべきなのか。
今回は、ペルソナに対する個人的な偏見をご紹介したいと思います。
同じペルソナでステージが変わる
ステージごとに「理想のペルソナ」を据えるのではなく、同一のペルソナにステージの違いがあると考えましょう。
「今すぐ」のペルソナと「比較・検討」のペルソナがいるのではなく、一つのペルソナの中で「今すぐ」と「既存顧客」のステージが変わる。「何か」が変化することで、前後のステージを移動すると考えないと、「誰に向けるか」という施策の根拠がぐらついてしまいます。
「買う」に至らず、「今すぐ」で踏み留まっている理由は何かを考える。
「比較・検討」のまま、購買意欲が高まらず「今すぐ」に移行していないのは何故かを考える。
ステージごとに別のペルソナを立てるのではなく、ペルソナを固定してステージ別の課題を考えるから、施策が有機的に繋がります。
そもそも、ステージごとに変えるのなら、ペルソナなんて用意する必要はないでしょう。
仮説検証可能な、効率の良い施策を考えるためではなく、誰かに向けた説明のための、都合の良い言い訳に使われるだけで終わってしまいます。
基本的に、ペルソナは変えない。
ペルソナを据え置いた上で、ステージの違いを書き込んでいく。
それが本来の使い方でしょう。
ステージごとに、施策は変わる
ペルソナを固定しても、ステージごとに気になること、伝えるべきことは変化します。
「今すぐ」では「損したくない」とか「失敗したらどうしよう」という気持ちが前に出ますが、「比較・検討」の段階やそれ以前なら、「ワクワクできるか」の方が強くなるでしょう。
予算に合うか合わないか。あるいは、サイズやスペックは問題ないのか。
決済方法は何が使えて、今の手持ちで残高不足と言われて恥ずかしい気持ちにならないか。
「買う」に近付けば近付くほど、具体的なことが知りたくなるものです。
認知段階なら、そもそも「何が欲しいのか」を刺激して需要を喚起したり、「(アナタの商品が)欲しい」と思わせないと、その先には進みません。
そして、肝心なのは「買う」や「今すぐ」から逆算して、「比較・検討」や「認知」へ向け、「何が解決できていないのか」を見て行かないと、「買う」には辿り着かないこともあるという点です。
運良く需要を喚起できたとしても、「今すぐ」までに離脱されるなんて珍しくないでしょう。
ステージごとに解くべき課題があるのではなく、ペルソナごとに気になること、解決したいことがある。だったら、訴求する側も同じ人物に対して、カスタマージャーニーやファネル、訴求メッセージを設計しなければなりません。
ステージごとにペルソナを作るのではなく、ステージごとに、ペルソナの何が変わるのかを考える。
それが大事なポイントです。
可能性を広げるなら、ペルソナをスライドさせる
ペルソナを絞り過ぎてしまうと、施策の幅が狭まってしまうというのであれば、作り込んだペルソナを活かして、別のペルソナを考えれば良いでしょう。
アナタが作ったペルソナに、必ずしも子どもや配偶者がいるとは限りませんが、親はいるでしょう。親と同居しているのか、離れて暮らしているのか。離れているのなら、どの程度離れているのか、また何故離れて暮らしているのかも、考えてみると良いかも知れません。
また、友達や同僚がいる可能性も考えられます。
そこには同世代や同性もいれば、世代や出身が違う人もいれば、異性もいるでしょう。
もちろん、子どもや配偶者、ペットがいても構いません。
そのペルソナにも、お隣さんはいるでしょうし、最寄りの駅やよく行くコンビニ、スーパーなどもあるはずです。そこで接する、「顔は知っているけど、名前は知らない人」もいるでしょうし、通勤時の電車やバスで同じ人もいるかもしれません。
そうした近くにいる別のペルソナを持ち込んで、「その人にアプローチするにはどうするか?」を考えていくと、施策の幅を広げられるでしょう。
主要ペルソナの親に訴求するなら、どんなアプローチが考えられるでしょう?
主要ペルソナと親、それも父親と母親とで関わり方や頻度も変わって来ますし、お互いの好みや「何を知っているか」も違うはず。
子どもや異性で年下の同僚にまで、効果を波及させたいなら?
主要顧客以外に対して、「どうにか出来ないか」を具体的に考えられれば、新たな突破口になるかもしれません。
戦略の幅、可能性を広げたいのなら、別のペルソナ、それも主要ペルソナに紐づけてスライドさせたものを持ってくると、それもまた有機的な根拠、検証可能な仮説を持って施策を考えられるでしょう。
通勤経路や生活圏は近いのに、細かな部分で違う場合、「何故違うのか?」を検討する足がかりにもできるはず。価値観や優先順位の違い、あるいは単純に所得の違いなど。
何が違うのか。その背後に何があるのかを考えていくと、面白い発見があるかもしれません。
深掘りは同じペルソナ、幅を広げるには違うペルソナ
「買う」の前も、「買う」の後も。
ステージごとの違いを深掘りしたいときは、同じペルソナを使って考えること。
同じ人がどの段階で何に引っ掛かっているのか、あるいは何を解消して次に段階へ進むのか、そこを細かく分析できれば、「具体的な困りごと」を解決するHelpfulを考えやすくなります。
ステージごとに違うペルソナを持って来ても、有機的な繋がり、何かしらの根拠を伴った深掘りにはなりません。ステージを跨いだ変化を追いかけつつ、ステージごとにペルソナは何を見ているのか、をしっかり調べること。そうやって、ユーザーインサイトの精度を高めましょう。
別のペルソナを持ち込むなら、戦略の幅を広げたいと思った時。
別の人物を立てて、その上で戦略を深掘りしてみましょう。
人物を徐々にスライドさせ、有機的に繋がっている人へ向けた新たな攻略方法、広げ方を考えるのも良いでしょうし、「すれ違うだけの人」なら、「何が違うのか」も良い材料にできます。
ペルソナを固定するから、できること。
まずは一つのペルソナを作って、とことん深堀りしてみましょう。
作っただけで終わらせず、使い倒せ
ペルソナは、作っただけで終わりにしてしまうと、非常に勿体ないツールです。
ペルソナを一人に固定するからこそ、それが基準点となって、ステージごとの違いや、主要ペルソナとの違いをどんどん書き込むことができます。
書き込めば書き込むほど、メインのペルソナも解像度が上がって、「何に困っているか」が見えやすくなるでしょう。
同じペルソナで深掘りし、近そうなペルソナで違うアプローチを考え、生活圏が重なる別のペルソナで、考え方の差分を考える。
ペルソナを有効活用したいなら、ペルソナを固定して、とにかく書き込み、使い倒すこと。
投資を無駄しない多角的なアプローチや、有機的なマーケティングを目指しましょう。
ペルソナを有効活用しませんか?
ペルソナがないと、今どきのSEOは困難でしょう。
ペルソナを作っても、「作っただけ」で終わっていたら、宝の持ち腐れ。
より人間らしいペルソナを使って、取り組みを無駄にしにくい効果的なWebサイト制作や、有機的なWebマーケティングに取り組んでみませんか?
ペルソナの作り方や有効活用について、少しでも興味を持たれた方は、いつでも気軽にご相談ください。
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