月刊BLUEBNOSE 2024年04月号(#4)『「愚者」に寄り添う犬を目指して』

BLUE B NOSEの在るべき姿ややりたいこと、あるいは向いている案件、プロジェクトは一体どんな物なのか。色んなところでちょっとずつ綴ってきたことを踏まえ、タロットカードの大アルカナ『愚者』のモチーフも借りて、改めてまとめてみましょう。
BLUE B NOSE 2024.04.19
誰でも

顕在化している「不(不満・不安・不足・不便・不快・不都合等)」を解消する問題解決型のマーケットインな新規事業と比べ、未体験の喜びや潜在的な豊かさを提案する問題発見型のプロダクトアウトな新規事業は、より革新性が高く独自性も高い割に、それに合わせて売れる可能性、成功する確率まで高くなるとは言えません。

前者の方がマーケティングの初動コストや、理解に割くコストが抑えられる上に、前例踏襲で成功確率も高められるのに、後者は先の見通しが全く見通せない割に、表面を準えただけの「今までと同じやり方」では失敗に終わる可能性も高いままです。成功した時の市場的な価値、社会的な影響力は後者の方が圧倒的に高いというのに。

革新性が高い新規事業に取り組む様を側から見れば、無謀な冒険へ挑む酔狂な痴れ者にも思えますが、それは同時に社会に変革をもたらす、いわゆる『よそ者、若者、ばか者』、「THE FOOL」とも言われる『愚者』の姿にも重なります。

今回は、我々BLUE B NOSE(以下:BBN)が共に歩みたいお相手、BBNが向いていると思われるプロジェクトについて、タロットカードの大アルカナ『愚者』のモチーフも借りて整理してみましょう。

マーケットインな新規案件は、どこでも対応できる

顕在化している問題を解決するタイプの新規案件なら「売れる」度合いも高く、事前のシミュレーションも入念に準備をすれば、最終的に皮算用に終わったとしても、失敗した時の対策も立てやすく、投じた費用を回収する可能性も高められるでしょう。Webマーケティングとしても、ペインポイントの要素が高いなら、その分検索キーワードも集約しやすく、特定のキーワードや特定のコンテキストに対する施策にも注力しやすいでしょう。

そんなプロジェクトで用いられるWebサイトなら、多少予算がかかっても先々の見通しが立ちやすく、補助金の活用やいざという時の資金調達だって、出来なくはないでしょう。「上手く行きそう」というのがある程度見えているし、真似る事例も充実していて明確化しているから。

そんな案件なら、2020年代も半ばに入って最盛期を過ぎたとは言え、まだまだ星の数ほどあるWeb制作会社や個人制作者の中から、社会的な信用度も知名度もないBBNに、価格的な優位性があるからといって声をかけてくることはないでしょう。より着実に出来そうな著名な企業、実績も十分な個人等へ声をかけるはず。どう頑張っても、我々が最初に選ぶ選択肢、唯一の選択肢になるというのは現時点でほぼ0です。

BBNにお鉢が回って来るとすれば、既に何度かWeb制作会社とやり取りしたことがある場合や、他の選択肢を選べなかった時。最終的な決め手が価格であったとしても、主眼は「他では出来ない」から。つまり、マーケットインとは程遠い案件、より革新性が高く、新しいやり方でないと上手くいかない可能性が高いプロジェクトである可能性が高い、とも言えます。

他の事業者は手を出さない難しそうな案件を、誰も手をつけようと思わない価格で請け負う。依頼する方も酔狂なら、請けるこちらも『愚者』である。愚者の随伴者として道なき未知の世界へ、冒険に付き合うもう一人の愚者が、BBNなんでしょう。

じっくりコツコツに向いている、「ケ」x「実存性ペルソナ」なコンテンツマーケティング

Macintoshが発売される前、あるいはiPhone 3Gが日本へ初上陸する前に、PCやスマートフォン、あるいは米アップル(Apple)社のことを必死に語っても、恐らくその良さや凄さは簡単には伝わらないでしょう。紙や火薬、活版印刷や羅針盤といった世界四大発明と称されるものも、その後の世界を大きく変えたにも関わらず、生み出される前、一般的に広まるまでは、その価値や利点は理解されなかっただろうと推察できます。

「(私の事業、商品は)流石にそこまで新しくない」と思われそうですが、今までなかったものを形にしたり、潜在的な問題を浮かび上がらせたりするだけでも、マニアックすぎるこだわりを発揮するだけでも、世間一般からすると「理解しがたい」とされる線を易々と超えてしまいます。その「違い」だけで強烈な差別化に繋がる考え方や価値観というのは、シラフでカジュアルに語っても引かれてしまうでしょう。

分かりにくいものをじっくり伝える、分かってもらえるまで時間をかけても良いように、BBNはお手頃価格の月額制で戦略的な情報発信を支援しつつ、Webサイトの改修、改善を加えていくスタイルを選択しています。訴求力に制限をかけて高速表示を実現したWebサイトを上手く活かすために、独自の地味目なコンテンツマーケティング、コンテキスト重視の「ケ」x「実存性ペルソナ」なマーケティングを採用しています。

検索キーワードや求める豊かさ、得たい情報が分散しがちなゲインポイント中心のプロダクトアウトな商品、サービスでも、着実に伝わる相手、確実に発生するシチュエーションから対策することで、小さく始めて無理なく続けられるスタイル、出費を抑えて伝わる関係づくりを模索しています。

わかりやすさ重視でパッと伝わらないとその先に発展しにくい「今までのやり方」では難しいことも、そう簡単には真似できない磨き上げた職人技で、じっくりコツコツ、伝わりにくくても正攻法で届けていく、ウチでないと出来ないこと、BBNだからこそ出来ることをご提案しています。

BBNにしか出来ないことをご提供したい

もう一度繰り返しますが、BBNは最初に選ぶ選択肢にはならないと考えています。また、絶対に唯一無二の選択肢でもないとも思っています。詳しくない方は調べなければならないでしょうが、それでもWeb制作事業者なんて、検索すればいくらでも出てきますし、『Web制作会社年鑑2023』

や、クラウドソーシングサービスをちょっと覗いてみるのも良いでしょう。

その中からわざわざBBNを選ぶのだから、「他所でも出来ること」ならBBNでなくても良い、とハッキリ言います。BBNにご依頼いただく以上は、BBNのスタイルをご理解いただいた上で貫き通す所存です。

そのため、「折角やるからには、(BBN流の)新しいやり方で」と考えています。新規事業に合わせたサイトの新設であろうと、既存サイトのリニューアルであろうと、今や未来を見据えて新しいことをやろうと思い立ったからお声掛けいただいたのだろうという前提で、巷のWeb制作会社がとりがちな手法、マーケティングとは一味も二味も違う路線を選択します。

地味な打ち出し方、長期戦略を選ぶのもその一つですが、ゴーイング・コンサーンとロングエンゲージメントを前提に考えるというのもあります。

短期的に大きな収益を上げてパッと消える事業、サービスではなく、長期的に存続すること、WebサイトやWebマーケティングがその長寿を支える柱となることを目指し、いつでも情報やブランド、企業や事業母体とコンタクトできる状態を保つこと、発信したからにはその責任を担保し続けることが、オンラインプレゼンスの世界における「真摯」な在り方、誠実な在り方だとも考えているので、これはクライアントの皆様にも前提としていただきたいと考えています。

目先、小手先の取り組みより、本来やりたかったこと、本質をとらえた果たすべきことを優先する。それが、愚者の同行者、ともがらを目指すBBNの考え方です。

『愚者』 = 単なる愚か者ではない

『愚者』について全く触れていなかったので、改めて触れますが、正確なことはWikipedia

に譲りましょう。タロットの大アルカナに属するカードの1種で、世界を旅する一人の男と、版によっては犬も一緒に描かれているカードです。

表記こそ「愚(か)者」で、崖に向かって足を踏み出そうとする図柄もあるなど、その異常性が現れているカードにも思えますが、その他のタロットカード同様に様々な受け取り方が可能なカードで、22枚の大アルカナの中でも特別視されるカードでもあります。

常識に捉われない自由奔放な存在であり、愚行とも取られかねない冒険へ旅立つ道化にも思えますが、トランプのジョーカーへ発展したカードとする説もあるように、ゲームを一変させる凄まじい力を秘めたトリックスター、退屈な日常に賑わいをもたらす存在でもあります。

ビジネスの世界でも学問の世界でも、時代を切り開いてきた変革者、先駆者というのは一見するとただの愚か者に見えていたかもしれません。常識に捉われず、天界の火を盗んで人類に与えたプロメテウス

も、

ギリシア語で"pro"(先に、前に)+"mētheus"(考える者)と分解でき、「先見の明を持つ者」
Wikipedia プロメーテウス(同上)より引用

の意味を持つともされ、タブーを犯す愚行も後の世から見れば、正しい行いとなる可能性を秘めています。

世界を変える者、世の中を変革していくイノベーションは、一見すると『愚者』や「愚行」に思えるものかもしれない。正しくなさそうな愚行、狂気の沙汰にこそ未来があると信じて、あえてバカな選択肢を選ぶ『愚者』と共に、より厳しい道、難しい世界へ突き進んでいきたいと考えています。

愚者を導き、共に歩く仲間でありたい

『愚者』のカードに描かれる犬は、愚者の同行者であり、時に道を示し、時に愚行をやらかすともがらでもあります。BBNも、愚者の無謀な旅に付き合う仲間、旅を導くガイドも担いたいと思っています。

終わりが見えない冒険に連れ立つ同行者であり、同じ目的地を目指す同志でもある。

犬という表現は誤解を生みそうですが、あくまでも対等な関係で、どちらも奔放にやりたいようにやる関係、パートナーを目指しています。

他所で断られた「愚行」こそ、BBN向き?

予算の都合で断念した案件や、内容が斬新すぎて言語化できておらず案件にならなかったプロジェクト、マーケティングが軌道に載らなさそうだと断られた成功しなさそうな案件、簡単じゃない案件、お金になりにくそうな案件こそ、BBNに向いているかもしれません。

どこでもできる簡単な案件なら、どこでも出来るでしょう。成功する可能性が高そうな案件なら、成功事例を有する事業者と手を組めば良いでしょう。コストをかければお金を産みそうな案件なら、対応可能な企業とやれば良いでしょう。

どれにも当てはまらない旨みがなさそうな案件、簡単には取り合ってくれなさそうな面倒くさい案件、難易度が高そうな案件の方が、BBNは袖を捲って対応したがる気がします。

周りに変な目で見られる愚行、ケチをつけられたアイディア、付き合い切れないと断られた案件をお持ちの方は、ぜひ一度BBNにご相談くださいませ。

アナタの愚行、最後までお付き合いしますよ。

おしまいに

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